X1DはHasselblad初のミラーレスカメラです。多くのマニアにとって、当時のX1Dは間違いなく物欲リストの頂点の一つでした。熱狂的な写真家Xiaojian Tangは、その情熱のままに散財する一方で、カメラを手に日常のさまざまな瞬間を撮り続けています。こうした名機が日常の中に溶け込んでいく姿を見るのは嬉しいことです。それこそが最高の写真道なのです。
作者:Xiaojian Tang

「あなたとは、初めましてのままでいたい。」
皆さん、またやって来ました。
皆さん、お元気ですか? 海外へ出られない3年間のロングステイの中で、私はいつもあれこれ考えを巡らせていました。撮影とレタッチを重ねるうちに、ツァイスへのこだわりという私のライフワーク(前回の記事で触れたツァイス年代記のことです)も、そして「ハ叔」ことハッセルブラッドへの熱狂的な情熱も、整理がついてきたのです。
今日は、私の記事の中でいつも静かに脇役を務めてきたこのカメラについて、珍しく書いてみようと思います!
(以下の写真はすべて、多かれ少なかれレタッチを施しています)(写真をクリックすると、ボディとレンズの情報を確認できます)
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【ハ叔って誰?】
私が所有する最高峰の機材、X1D。その出自は、写真界の最高殿堂の一員であり、スウェーデンの伝説的な光学メーカー、Hasselbladです。
フィルム時代、2大中判伝説メーカーであるHasselbladとRolleiは激しく競い合っていました。二眼レフや503CXといった名機の数々は、私がカメラを始めた頃からずっと、所有を夢見てきた機材でした。
実際、私もRollei SL66や3.5Eといった伝説の名品を短期間所有していたことがあります……。しかし諸々の事情(フィルムが高すぎる)で佳作に恵まれず、残念ながら手放してしまいました。
ハッセルブラッドにせよローライにせよ、私の追求は撮影の小道具どまりで、下の写真のように、街角のお姉さんの手に持たれたカメラになるのが関の山でした(このカメラはAgfa Billy Recordです)。

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【X1D】
2016年、世界初の中判ミラーレスカメラがハッセルブラッドの発表会で華々しく登場しました。X1Dです。続いて富士フイルムからGFX 50Sが登場し、コンシューマー向け写真の頂点は一変。X1Dはあらゆる写真マニアにとって夢の名機となりました。

従来のデジタル中判(55×44)の定義からすれば、X1Dはミニ版の中判(44×33)と言えます。しかしフルサイズ(36×24)と比べれば、その巨大なセンサーに私はたちまち心を奪われました。ここで、写真界の巨人である台南の阿祥さんの助けに感謝しなければなりません。おかげでこれほど早くこのカメラを手にすることができたのです。
関連リンク:男の心に残る最後の魂のかけら | Hasselblad X1DII-50C/新と旧の融合 | Hasselblad 907X 50CII
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【中判? それともフルサイズ?】
スウェーデンの光学への憧れと、巨大なセンサーへの憧れとときめきだけで手に入れたこのカメラ。実際に使ってみると、どうだったのでしょうか?




カラフルなソファは、X1Dで撮った私の最初の1枚です。その瞬間、私はこの素晴らしい『中判』(中判フォーマットのことで、マニアの間では愛称として定着しつつあります)が、理屈抜きに追い求めたくなる理由を理解しました。よく見ると、ソファそれぞれの色の濃淡、前後の距離感、立体感、臨場感……、さらには光と影までが、平凡な記録写真を、何度も見返したくなるほど深みのある1枚に変えていたのです。


フルサイズを圧倒するセンサーサイズを持つ中判。『将来、フルサイズは中判に置き換わるのでは?』と思う方もいるかもしれません。
私の考えでは、それはないでしょう。焦点距離の換算だけでも、フルサイズが×1なのに対し中判は約×0.77で、慣れるのがやや大変です。さらにフルサイズの充実したレンズ群や大口径レンズなどを考え合わせれば、少なくとも当面は置き換わる余地がないことが分かります。


ですから今の私にとって、フルサイズがもたらす優れた性能と夢のようなボケの雰囲気も、中判がもたらす圧倒的な色彩と臨場感あふれる立体感も、どちらも手放しがたい存在なのです。
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【自己実現】
よく言われるように、ある境地に達すると人は形而上学的な自己実現を求め始めます。その言葉を機材に当てはめるなら、自己実現とはまさに、このフルサイズを超えた存在のことを指すのでしょう。



まずは、X1Dについて、きっと驚かれるポイントをご紹介しましょう: 1) 起動に約10秒かかる 2) 実シャッターがなく、ボディにあるのは電子シャッターのみ(しかも後からのファームウェアアップデートで追加されたもの) 3) 実シャッターはレンズ側にあり、レンズシャッターと呼ばれる 4) ファインダーを覗きながらタッチパネルでフォーカスポイントを変えられる 5) 4)の応用で、鼻を使ってフォーカスポイントを変えることもできる(??? 6) フリーズしやすく、時には露出に失敗し、時にはシャッターが切れない 7) RAW+JPG保存ができるが、JPGは1,200万画素のみ 8) 色深度は16bitに達し、281兆色もの色彩を表現できる
……………..どうでしょう、かなり購入意欲が削がれませんか?





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【実戦】
ところが、こんなにも使いにくく、電子性能は極めて低く、価格は極めて高いカメラが、手に入れた途端、私の最主力のカメラになってしまったのです。



評価を一言で言うなら、まるでスマートフォンのようなカメラです。浅い被写界深度はほとんどなく、とてもシンプルで、まるで肉眼で見たままのような写りをします。
しかし、まさにその平凡なほどの真実味が、圧倒的な画質と合わさることで、ありふれた風景のひとつひとつが、何度も見返したくなる緻密な瞬間に変わるのです。


人物撮影でも、さまざまな素晴らしい写りを見せてくれます。





2020年に私が最も満足したポートレートの1枚も、このカメラで撮りました。

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【アダプターで転接する?】
実はX1Dは電子シャッターのみですが、アダプター経由で他マウントのレンズを使うこともできます。ただし室内では撮影できないという欠点があります(電子シャッターの読み出し速度が遅すぎて、フリッカーの波模様が出てしまうためです)。

さらに、とてつもないローリングシャッター現象(言い方が合っているか分かりませんが)もあり、撮影中にカメラを動かしてしまうと、像が歪んで写ってしまいます……。

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【節末のひとこと】
この小粒なカメラを連れてあちこち旅をする期間中、珍しくも日月潭が干上がるという、史上空前の出来事に遭遇しました。皆さんにもお裾分けしますね〜



………結論がないですよね!この不思議なカメラには、まるで中毒のように、まだまだ長い間撮り続けてしまいそうです。では、所有をおすすめするかって? その答えは、写真たちに語ってもらいましょう~~
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